複数の灯りの選び方で、空間が変わる
【第1回】
住まいづくりのアイディア帖
- このひとに聞きました
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照明リフォームのプロ
クラフト リノベーションスタジオ
江口 雅敏さん
1室1灯の直接照明が当たり前だったこれまでの住まい。主流は間接照明へ、1室1灯から多灯分散型へと変遷しています。
それは、同じ部屋でも用途によって、色や点ける数を変えるなど、灯りの組み合わせが可能になるということ。
さらに、LEDの登場により様々な可能性が広がっています。考えられなかったような場所に考えられなかったような灯りを置くことができるようになりました。
壁や足元など、建物自体に照明を入れ込むような仕様にすることで、奥行きを生み出すこともできるのです。心理的なやすらぎ・くつろぎ効果も期待でき、多灯照明を取り入れることで、ますます居心地の良い住まいになっていくのです。
では、実際に、どのような灯りがあるのでしょう。現状を知って、少しイメージを膨らませてみましょう。
「魅せるあかり」と「主張しないデザイン」が魅力の灯りです。陰影のある豊かなあかり空間をつくります。

建築空間を創造する人が、自由に使える「素材」として、灯りを捉えています。

壁のスリットに光を溜め、空間のアクセントに。収納の上下に仕込んだあかりがやわらかな雰囲気を広げます。

テーブルのサイズに合わせて、3灯のダウンライトを配置。中心のあかりをつくりながら、ダイニングにリズム感を出します。
panasonicが独自に開発した光のスペクトル制御技術で、本来の色味をより美しく引き立てます。

これまでのLEDは、赤みや肌の色などの見え方で自然光との違いがありました。美ルックは、本来の美しい色を再現し、鮮やかに見せることがきる灯り。また、鮮やかに見えることで、空間を明るく感じる効果も得られます。

家族みんなが集まる、多目的なダイニング。自然の光に近い灯りで、料理を色鮮やかに、よりおいしそうに見せます。カウンター上には用途によって光色を変化できるあかりを採用しています。
多灯型は、心理的にも経済的にも◎
例えば、低位置の光源は「夕暮れ効果」でリラックスできると言われます。1灯が頭上から照らしつける従来の照明より、自然環境の光に近い環境で夜を過ごせるためでしょうね。
玄関の上がりかまちや、テレビの背面などに施すのも効果的。壁に敢えて立体感を施し、アクセントをつけることもあります。
ちなみに、必要な箇所だけの照明をつけたり消したりが可能になるので、まめに使い分ければ光熱費もぐっと経済的になるというのも、多灯型の大きなメリットです。