シンガポールは小国ながら貿易や交通、金融の世界的中心地として流動的に人が出入りする国際都市。国民も多用な民族、国籍の人で構成される複合民族国家ですが、そんな国で日本人がとまどうのが生活の中での〝デポジット制〟です。
デポジットは「預かり金」「保証金」という意味で、海外のホテルやレストランでよく採用されるシステム。例えば、ホテルではチェックインの際にまず現金で一定金額を払うかクレジットカードを提示しておき、チェックアウトでそれを精算します。ホテルが損をしないようにしているわけです。
このデポジットがシンガポールではさまざまなものに取り入れられていて、交通機関ではICカードからまず終点までの料金が引かれ、降りるときに精算して返金される仕組み。また、電気や水道・ガスなどの公共料金も過去の使用歴から「たぶんこれくらい使うだろう」と計算された翌月分を前払いするのだそうです。