寝具の歴史

[11/15/17]


現在のような綿入りの四角い布団が寝具として庶民に普及したのは、じつは昭和に入ってからというのをご存じだったでしょうか。ではそれまで日本人はどんな”ふとん”に寝ていたのでしょう。

■縄文~古墳時代

弥生~古墳時代の竪穴住居の中から木幹跡がみつかり、人々が雨や虫を避けるためベッドのようなもので寝ていたことが推測されています。敷布団はおもにワラやイグサを編んだムシロ。いわゆるゴザでした。

■奈良~室町時代

日本に現存する最古のベッドは、聖武天皇が使っていたとされるひのき製の寝台。スノコ状になっていて、上にはムシロを5~6枚重ねて縁をつけた畳を置いていました。この御床畳(ごしょうのたたみ)がまた、日本に現存する最古の畳でもあります。

平安時代になると公家や貴族の間では畳が敷布団の中心になります。もちろん畳といっても薄い質素なもの。上には昼に着ていた着物をぬいで掛けるのが一般的だったようです。

■戦国・江戸時代

室町末期からはじまった綿の栽培が成功し、木綿が普及しはじめたことでようやく今の掛け布団に近い夜着(よぎ)が誕生します。当時は着物のかたちに綿が入った「かいまき」型で、武士の防寒着が原型のようです。

江戸時代の文献によると、綿入り布団1枚が30両(今の600~900万円)もしたといいますから超高級品。とても庶民には手が出ません。庶民はムシロや和紙の布団、農村ではワラやもみ殻にもぐって寝ていたのだとか。掛け布団が四角いかたちになるのも江戸時代後半になってからでした。

■明治時代

外国から安い綿が輸入されるようになり、綿布団が少しずつ庶民の間に広がります。日本で初めて既製の寝具が販売されたのは明治20年頃のことでした。

■昭和以降

布団が売られていたとはいえ、戦前まで「ふとん屋」というのなく、「わた屋」から綿を買って家庭で仕立てるのがふつうでした。まだまだ綿布団は贅沢品でしたから、農村などでは戦後しばらくまで綿のかわりにワラやもみ殻、干した海草を詰めた「わら布団」を使う家も多かったようです。

 

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