敷金と礼金の歴史

[07/11/17]


 

賃貸契約に必要な費用

家を借りる時、家賃と一緒に初期費用としてかかるのが敷金や礼金。敷金はもしもの時に家賃の滞納分や修繕費に充てる保証金のようなものなので退去時に返してもらえますが、礼金は一度払うと戻ってきません。

関西や九州ではあまり一般的な習慣ではありませんが、とくに首都圏では「敷金2か月、礼金1~2か月」などというのが普通で、仲介手数料や前家賃と合わせると、最初に家賃の5~6か月分がかかるというのが常識のようです。

 

「礼金」とはどんなもの?

礼金の起源には諸説ありますが、ひとつは関東大震災後のこと。多くの人が家を失い、住むところがなくて困っているときに優先的に空き家を貸してくれた大家にお礼として払ったというもの。

もうひとつは高度成長期、地方から上京する若者の親が、大家に「うちの子をよろしくお願いします」という気持ちを込め、お礼としてお金を包んだというものです。当時は中学校や高校を卒業したばかりの若者が大勢、集団就職で親元を離れたので、せめてもの親心だったのでしょう。

ただ、残念ながら今の礼金はほぼ、大家さんではなく不動産会社の収入になっているようですが。

 

敷金は花嫁の持参金

一方、敷金のはじまりは江戸時代だといわれています。

この時代、女性が結婚する際は家族が持参金を持たせる習慣があり、これを「敷金(しききん・しきがね)」と呼んでいました。このお金はもし離婚となった時には夫が妻に全額返還する決まりになっていたようで、まるで現在の敷金そのもの。これが賃貸における保証金の考えに転用されたのでしょう。

 

外国でも敷金が必要?

ところで、敷金と同じようなシステムは外国にもあって、おおむね家賃の2か月分くらいの保証金(デポジット制)を契約時に払うところが多いようです。もちろん退去時には戻ってきますし、日本のような礼金や更新料というのはどこの国にもありません。

最近は敷金や礼金なしの賃貸物件も増えていますが、そもそも「礼金」なんていかにも日本らしい考え方ですよね。